神はみこころのままに、あなたがたのうちに働いて志を立てさせ、事を行わせてくださるのです(口語訳:あなたがたのうちに働きかけて、その願いを起させ、かつ実現に至らせるのは神であって、それは神のよしとされるところだからである)。すべてのことを、呟かず、疑わずに行いなさい。(ピリピ人への手紙2章13節―14節)
1.サムエル記第一14章1節―15節
2.サムエル記第一30章1節ー19節
3.列王記第一18章18節―39節
クラーク博士について内村鑑三はアメリカの新聞「The Christian Union」に「The missionary work of William S. Clark(ウイリアムSクラークの宣教活動」という記事を書いたそうです。クラーク博士のことばとして「青年たちよ。大志をいだけ」が有名になったのは朝日新聞の天声人語が紹介したことによるもので、その出典は、稲富栄次郎の「明治初期教育思想の研究」からで、「青年たちよ。大志をもて。それは金銭や我欲のためにではなく,また人呼んで名声 という空しいもののためであってはならない。人間として当然そなえていなければならぬあらゆることを成しとげるために大志をもて」というもので、神との関係において成り立つ志であり、野望とは異なるものであることを意味するものであったようです。パウロは、今日の聖句を語る前に、「わたしの喜びが満たされるように、あなたがたは一致を保ち、同じ愛の心をもち、心を合わせ、志を一つのしてください。何事でも自己中心や虚栄心からすることなく、へりくだって、互いに人を自分よりもすぐれた者と思いなさい。自分のことだけでなく、他の人のことも顧みなさい。あなたがたの間では、そのような心構えでいなさい。それはキリスト・イエスのうちにも見られるものです。」と言い、イエス様がどのように生きられたかを紹介してから「そういうわけですから、愛する人たち、いつも従順であったように、私がいるときだけでなく、私のいない今はなおさら、恐れおののいて自分の救いの達成に努めなさい。神はみこころのままに、あなたがたのうちに働いて志を立てさせ、事を行わせてくださるのです(口語訳:あなたがたのうちに働きかけて、その願いを起させ、かつ実現に至らせるのは神であって、それは神のよしとされるところだからである)。すべてのことを、呟かず、疑わずに行いなさい。」と勧めていますが、そのことばに、神から与えられる志を得る秘訣は、キリストに従順に従うことによって与えられるものであることを、神から与えられたものであれば、すなおに与えられた志を実行するように勧めているのではないでしょうか。ダビデのように神よりも自分の思いで行動して窮地に陥って苦悩するようなことがありますが、ダビデのように主に立ち返るなら、主は志を与えてくださるだけでなく、パウロが「私は、私を強くしてくださる方によって、どんなこともできるのです(ピリピ人への手紙4章13節)」と語っているように、与えられた志を実行する力も与えてくださるのではないでしょうか。