お茶の水メディカル・カフェの流れの中で、前半に必ず「樋野講話」のコーナーがあります。ここでは、言葉の処方箋、つまり樋野語録がポンポンと飛び出し、互いの心に時には励ましを時には、うなずきを与えてくれます。先生のお話によく出てくる人物のお一人は内村鑑三です。私はあるところで、内村鑑三先生の直筆の書を写真でとってきました。それを掲載したもので、「神を畏れ、人を恐れず」という内容のものです。
神を畏れるというのは、神の存在、天の存在、あるいは、人間よりはるかに大いなるものに対して、天罰だ、怒りだ、呪いだ、ということで怖がるというのではなく、「畏敬」というのでしょうか、人が謙虚になって恐れかしこむ態度というのでしょうか、それに対して、人を恐れることがあろうか、という大胆な言葉です。実はキリストが言われた言葉に思いを馳せました。
『からだを殺しても、たましいを殺せない人たちなどを恐れてはなりません。そんなものより、たましいもからだも、ともにゲヘナで滅ぼすことのできる方を恐れなさい。』(新約聖書マタイによる福音書10章8節)
恐れるべき真の存在を恐れるとき、他は恐れるに足らずという生き方なのでしょうか。ものすごいチャレンジを受けたことでした。