永六輔さんが亡くなり、大橋巨泉さんが亡くなり、悲しんで寂しさに浸っている間もなく、都知事選があり、小池百合子都知事の事でメディアは毎日報道にあけくれています。
だれが知事になろうと、とにかく一人一人を大切にする人であってほしい、結局自分のことだけではないかということにならないようにと、祈るばかりです。

ところで、永六輔さんは、パーキンソン病とがんをかかえながら、東日本の被災地へ出かけられました。「誰かとどこかで」のテーマソング「遠くへ行きたい」を「トーホクヘ イキタイ」とおしゃっていたようです。

地震と津波の悲惨なつめあと見た時、永さんは、『大津波 全部持ってけ 馬鹿野郎』と叫んだそうです。
これはやけくその叫びではなく、たとえすべてのものを奪い去っても、負けないぞ、きっと復興してみせる!というガッツが込められた叫びだと受け止めました。
それにしても6年目にはいり、いまだに行方不明の方が2000名を超えているのです。家族の方も死亡届など出せない、というお気持ちでしょう。
キリストの言葉に「からだを殺しても、あとそれ以上なにもできないものを恐れてはいけません」とありますが、体を蝕もうとするものがあっても、〝病気であっても病人ではないぞ”と今日一日を歩んでいきたいと願っています。

広島、長崎の原爆投下の日を迎える8月です。先に逝った人々のいのちを引き継いで生かされていることをしみじみ感じています。
榊原 寛