7月7日永六輔さんが83歳で亡くなられました。『上を向いて歩こう』の歌は代表作で、誰も知っているといってもいいでしょう。『誰かとどこかで』の番組で流れてくるテーマ曲は、『遠くへ行きたい』でしたが、永さんは、パーキンソン病を抱えながら、遠くへ行きたいではなく、東北へ行きたいと応援に出かけられました。永さんにまつわる話は、山ほどありますが、先日NHKで放映されていた番組に、永さんが闘病中に加藤登紀子さんへ贈った詩が紹介されていました。

寂しさには耐えられる
悲しみにも耐えてみよう
苦しさにも 耐えてみて
耐えて 耐えて
耐えられないのは虚しさ
虚しさ 空しさ
虚しさが耐えられるのは
ともだち あなた 戦う心
OTOKI SAN

この詩に、加藤登紀子さんは次のように言っていました。「永さんに戦う心って、珍しいでしょ。でも返すようだけど 永さんこそ本当に戦った人ですね。
楽しくないすべてのことに対してですよ、人々を笑わせないようにする、人々をみじめにさせる、いのちを台無しにするすべてのことに対して、戦った人ですよね。」
がん哲学外来お茶の水メディカル・カフェの私たちも、上を向いて静かに戦っているんですよね。あの永さんの笑顔に負けない笑顔を武器に。榊原 寛