ローマ人への手紙11章33節
ああ、神の知恵と知識との富は、何と底知れず深いことでしょう。 そのさばきは、何と知り尽くしがたく、その道は、何と測り知りがたいことでしょ う。
<関連聖句>
1.イザヤ書55章6節―11節
2.詩篇25篇4節―12節
3.コリント人への手紙 第一 2章3節―9節
<メッセージ>
父イスラエルが年寄りの子であったヨセフを兄弟たちのだれよりも愛していたので、兄弟たちはヨセフを憎んでいたのですが、ヨセフが「どうか私の見たこの夢を聞いてください。見ると、私たちは畑で束をたばねていました。すると突然、私の束が立ち上がり、しかもまっすぐに立っているのです。見ると、あなたがたの束が回りに来て、私の束におじぎをしました。」と、「また、私は夢を見ましたよ。見ると太陽と月と十一の星が私を伏し拝んでいるのです。」と二つの夢をしかも二つとも兄弟だけでなく両親もヨセフに頭をさげるようなものでしたので、兄弟たちは彼をねたみ銀二十枚でイシュマエル人に売ってしまったので、彼はエジプトに連れて行かれ、パロの廷臣で侍従長ポテイファルに買われたのですが、主がヨセフとともにおられたので、全財産をヨセフの手まかせほどの信用を得たのですが、主人の妻の誘惑に応じなかったために彼女は夫に「あなたが私たちのところに連れて来られたヘブル人の奴隷は、私にいたずらをしようとして私のところに入ってきました。」と話したために、ヨセフは濡れ衣を着せられて王の囚人が監禁されている監獄に入れられてしまったのでした。
そこには王の献酌管長と調理館長も入れられていました。ヨセフは献酌官長の夢を解き明かしてから「あなたがしあわせになったときには、きっと私を思い出してください。私に恵みを施してください。私のことをパロに話してください。この家から私が出られるようにしてください。」と頼みましたが、献酌の役に復帰した献酌官長はヨセフのことを忘れてしまったのです。しかし、二年後、パロの夢を解き明かすことのできる人はいなかったのでした。そのとき献酌官長はヨセフのことを思い出してパロに話したので、パロは使いをやってヨセフを呼び寄せたのでした。ヨセフは、パロに、その夢は七年間の大豊作と七年間のききんを意味することを、しかもそれは神によって定められ、神がすみやかにこれをなされるからであることを、ききんのための備えをする必要があることを語ったのでした。それはパロとすべての家臣に受け入れられ、ヨセフはエジプト全土を支配する人となったのでした。
やがて全世界にききんが広がったので、世界中が穀物を買うためにエジプトのヨセフのもとに来たのでしたが、その中にヨセフを売った兄弟たちもいたのでした。ヨセフは兄弟たちに「私はあなたがたがエジプトに売った弟のヨセフです。今、私をここに売ったことで心を痛めたり、怒ったりしてはなりません。神はいのちを救うために、あなたがたより先に、私を遣わしてくださったのです。」と語り、父イスラエルにも会うことができたのでした。父が亡くなると兄弟たちは「ヨセフはわれわれを恨んで、われわれが彼に犯したすべての悪の仕返しをするかもしれない。」と言い「私たちはあなたの奴隷です。」と、ヨセフがかつて見た夢のようにひれ伏したのですが、ヨセフは「恐れることはありません。どうして私が神の代わりでしょうか。あなたがたは、わたしに悪を計りましたが、神はそれを、良いことのための計らいとなされました。それはきょうのようにして、多くの人々を生かしておくためでした。ですから、もう恐れることはありません。私は、あなたがたや、あなたがたの子どもたちを養いましょう。」と、兄弟たちを慰め、優しく語りかけたのでした(創世記50章14節―21節)。
ヨセフの生涯を見ると(創世記37章―50章)、まさしく今日の聖句が「ああ、神の知恵と知識との富は、何と底知れず深いことでしょう。そのさばきは、何と知り尽くしがたく、その道は、何と測り知りがたいことでしょう。」と語っているように人知では測り知ることのできない、想像を絶する驚くべきできごとではないでしょうか。しかもすでに主はアブラハムに「あなたの子孫は、自分たちのものでない国で寄留者となり、彼らは奴隷とされ、四百年の間、苦しめられよう(創世記15章13節)」と、国の名は仰せられませんでしたが、それはヨセフの死後、ヨセフを知らないパロのもとでイスラエルの民がエジプトで苦しめられることを預言されていたのでした。神は永遠から永遠のお方で、私たちの全生涯をご存知な方であり、ヨセフのように、どんな出来事も益としてくださる神であることを心に据え、試練の中にあるとき主に助けを求めて祈り、主を信頼して生きようではありませんか。