2009年01月のメッセージ 榊原寛
たわむこころで一年を
2009年を迎えて、今年もがんばって一年を過ごしたいとは誰でもの願いです。よく挨拶代わりに、「がんばって!」と言うことがあります。お見舞いなどにも、ついがんばってと口にすることがあります。しかしよく考えてみると、「これ以上、どうがんばればいいの!」という内なる叫びが聞こえてくるようです。確かにがんばりは必要ですが、がんばりが疲れきってしまうとどうなるでしょうか。
諏訪中央病院の名誉院長をされている鎌田實先生の著書、『いいかげんがいい』の中に、次のようなことが書かれていました。
「精神的にまいってしまうことを、よく『心が折れる』と言うけど、この表現を使わないようにしていた。折れない、折れないと言いつづけた。『折れた』と思う自分が、すべてを終わりにしてしまう。硬くて、強いものほど折れやすい。やわらかくて、弱くていいのだ。自分は弱いけど折れないと思いつづけた。ぼくのイメージに近いのは、『たわむ』という言葉。しなやかな木の枝や竹などが曲がる状態だ。弱さによる『たわみ』は、いつか強い自分になるための『力』になると考えた。感情をコントロールできないときは、がまんしないようにした。泣きたいときは泣いた。肩の力が抜けた。」
がんばりすぎた結果、ポキッと折れてしまうことがあります。経済的な面で世界的な恐慌がそれぞれの家庭にも影響してきています。そのようなとき、鎌田先生が言う、「たわむ心」でくぐり抜けることができれば、かなりの強さを身につけることができると思います。
聖路加病院の日野原重明先生が、44歳でガンで亡くなった東京大学医学部・解剖学教授であった細川宏さんの詩集から、「しなう心」という詩を紹介していました。
苦痛の激しいときこそ
しなやかな心を失うまい
やわらかにしなう心である
ふりつむ雪の重さを静かに受けとり
軟らかく身を撓めつつ(たわめつつ)
春を待つ細い竹のしなやかさを思い浮かべて
じっと苦しみに耐えてみよう
聖書には、「私たちは、四方八方から苦しめられますが、窮することはありません。途方にくれていますが、行きづまることはありません。」(Ⅱコリント4:8)というのは、自分ががんばっているからというのではなく、キリストが私と共におられて、キリストががんばってくださるから、お任せしていこうということです。このような生き方があることを知って、この一年も元気で過ごしたいものです。あなたに天来の祝福をお祈りいたします。
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