2008年03月のメッセージ 榊原 寛
強がりや意地のよろいを外して
「主は(キリスト)、『わたしの恵みは、あなたに十分である。というのは、わたしの力は、弱さのうちに完全に現われるからである。』と言われたのです。ですから、私は、キリストの力が私をおおうために、むしろ大いに喜んで私の弱さを誇りましょう。」 (コリント第二12章9節)
上記の聖書は、使徒パウロが、自分の肉体のとげが取り除かれるように熱心に祈ったとき、キリストから示された言葉でした。彼が言う肉体のとげについては、彼の容姿はせむしのようでひどく醜かったという説やひどい弱視であったという説などがあります。すばらしい有能な人物であったにもかかわらずなにらかのコンプレックスがあったのでしょうか。積極的な意味では、それが取り除かれれば、さらに神様の奉仕ができるという思いがあったのでしょう。
しかし、「わたしの恵みは、あなたに十分である。わたしの力は、弱さのうちに完全に現れる」というのが祈りの答えでした。ですから彼は「キリストの力が私をおおうために、むしろ大いに喜んで私の弱さを誇ります」と確信したのです。
頚椎損傷の大怪我をして、首から下のすべての機能を失い、今、口に絵筆をくわえて詩画を描いておられる星野富広さんは、年間、天井向いての入院でした。少しも回復しないまま家に帰されました。そのころの様子を「絶望の淵」と言っていました。友達が見舞いに届けてくれた聖書を横目に眺めながら、いまさら神頼みなどするものかという頑固なまでの意地は、健在だったのです。しかし、キリストに出会い、キリストにすべてをお任せし、キリストにおゆだねすることができるようになったとき、彼を支えたのは、上記の聖書の言葉でした。
「もののけ姫」で脚光を浴び、カウンターテナー歌手として、世界的に活躍している米良美一さんは「先天性骨形成不全症」という難病を抱えています。「今は誰の前でも自分の生い立ちを堂々と話せますが、以前はハンデのある自分を被害者のように見ていて、自分が一番自分のことを差別していた。」と言っています。そして、「一番大事なのは、体のハンデによって、心のハンデが生まれないこと。心が病んでしまうと、物事をゆがんで捉えて、自分に都合のいいようにしか見なくなる。」とも言っています。
3月は、ひとまず終わるという月を迎えています。それは,これから始まるという月でもあります。そのとき、一番の障害になるのは、自分のうちにあるコンプレックスや強がりを見せたり、意地を張って生きることではないでしょうか。そんなよろいを外して神の前に、初めっから弱いものであることを認めた生き方をするとき、むしろ、神の強さに生かされて生きることができるのです。
そんな自分探しを、フライデーナイトでしてみませんか。
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