2005年10月のメッセージ 関根 一夫



 使徒言行録27

27:20 幾日もの間、太陽も星も見えず、暴風が激しく吹きすさぶので、ついに助かる望みは全く消えうせようとしていた。

27:21 人々は長い間、食事をとっていなかった。そのとき、パウロは彼らの中に立って言った。「皆さん、わたしの言ったとおりに、クレタ島から船出していなければ、こんな危険や損失を避けられたにちがいありません。

27:22 しかし今、あなたがたに勧めます。元気を出しなさい。船は失うが、皆さんのうちだれ一人として命を失う者はないのです。

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パウロのローマへの船旅は過酷なものとなりました。パウロは、その出帆の時期について反対していました。危険を察知していたのです。しかし、船主の言うことを重視したローマの百人隊長は、船を進め、結局、パウロが心配していたとおり、大きな暴風に巻き込まれ、大変危険な状態に直面します。

自分の忠告を聞いていてくれればこんな危険に遭遇しなくても済んだはずでした。しかし、こういう場面で伝道者パウロの心の内側が見えてくるのです。

彼は、決して「他人事」として冷ややかな目で傍観などしていません。皮肉のひとつも言ってやりたいような心境かも知れませんが、パウロは、真剣に同船者に対して「励まし」と「慰め」の言葉を語っています。

もし、私が、そういう立場で船に乗っていたら、どういう態度で人々に接するだろうと考えてみました。パウロのように「積極的な助力の言葉」を語れるだろうか?

私たちはひとたび関係が壊れると、挨拶もできず、助力などとんでもない、人の揚げ足を取り、その人の祝福など祈れないという状況に縛られてしまうことがあります。そして、そういうときには、絶対に心が正しく神様に向いていないのです。

パウロは違いました。「元気をだしなさい」とパウロは繰り返します。そこに居合わせ、パニックに陥っている人たちに対して、パウロはしっかり自らの責任として「希望」を語っているのです。決して「すねて」しまわないのです。神様との交わりを欠かしていないので語るべき言葉を持っています。

パウロは、積極的に励ましの言葉を語り、神様からの希望の言葉を伝えています。その結果、数日後、 船に乗っていた総勢276人全員が助かるのです。船は難破しますが、乗っていた人たちはマルタという島に上陸することができました。

私たち人類は、他の生き物と一緒に「宇宙船地球丸」という船に乗っているのだと、ある人は言います。しかし、その船の中で、一体お互いをどのように観ているのでしょうか、お互いにどういう関わり方をしているのでしょうか。

パウロの生き方、パウロの対応の仕方から、学ぶべきことが多くあるように思います。励ましの言葉、希望の言葉、積極的な助力、私たちが、誰かにその心を向けることができたら、そこが嵐の真ん中だとしても「関係の修復」への第一歩となり、一緒に陸地に到達できる大きな原動力になるはずです。

「元気を出しなさい」とは言いにくいですが、「どうぞお元気で」「お元気ですか」「神様の祝福がありますように」という態度や声はかけてみたらいかがでしょう。いいえ、それより前に、神様との関係の修復を忘れてはなりません。すべては、そこから始まるからです。

祝福がありますように。


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