2003年09月のメッセージ 関根 一夫
神への告発
今月は詩を紹介しましょう。いろいろ考えさせられます。
「神への告発」 関根一夫訳
神の御座の前に何万という人々が集まっていた。その集団の前方の人々は怒りにも似た強い語調で叫び声をあげた。
「神が俺たちを裁く権利など本当にあるのか?神に俺たちの苦しみなどわかるものか。」
彼らはシャツをたくしあげ、ナチスの収容所で受けた傷と、入れ墨で書かれた囚人番号とを見せた。「俺たちは、殴られたり、迫害されたり、虐待されたりして、死にいたる苦しみを受けてきた。」
別の集団の黒人が、襟を開いて、「これを見てくれ」と叫んだ。黒人であるというだけでリンチにあい、縛り首にされたというロープの跡があった。「俺たちは、奴隷として苦しみを受けてきた。愛する家族と離れ、死が安らぎをもたらすまで、苦役に服さなければならなかった。」
広場には、地上で苦しみを味わった何百というグループが群がっていた。そして、それぞれに神に対して「なぜ地上であんな苦しみにあわせたのか」と口々に責め立てていた。
「神なんて、楽なもんだよな。光と麗しさに満ちた天国に住んでてさ。」
「どこにも、涙も飢えも危険もありゃしない。」
「実際、神に地上の人間が受けている苦しみや痛みがわかるのだろうか。」
そこでそれらの集団は、それぞれに地上でもっとも苦しい経験をした人たちをリーダーに選んで告発会議を開いた。そこにはユダヤ人、黒人、インドの最下層の人たち、広島、長崎の人たち、そしてシベリヤの収容場に入れられた人などがリーダーとして選ばれてきた。彼らは告発会議を開き、次のような結論に達した。
「決議文」
神が、我々人間に対する裁き主、主となるためには、神ご自身が人間の味わった苦しみを、しかも最も厳しい苦しみさえも経験しなければならない。
具体的には
※神は人間として地上に住むべきだ。しかも、その全能の力を用いて自分を苦しみから守るような事がないよう約束を取り付けるべきだ。
※ユダヤ人として生まれるようにしよう。彼の誕生に疑いがかけられるような方法で生まれさせ、誰が父親なのか世の人にわからないようにしよう。
※彼を正義と真理のチャンピオンにして、世の人々のねたみや憎しみを受けさせ、既成の宗教家たちからもののしられるようにしよう。
※彼に人間が見たことも、聞いたこともないような事柄を教える立場を与え、神を人間に紹介する役目を与えよう。
※最愛の人から裏切られる経験をさせよう。
※無実の罪で捕らえられるようにしむけ、しかも偏見に満ちた陪審員の前で臆病な裁判官によって裁判を行わせよう。
※ひとりぼっちで取り残され、人々にまったく、捨てられてしまうという辛さを味あわせよう。
※拷問にかけよう。そして、殺されるように仕向けよう。しかも、最もつらく苦しい十字架刑で。
・・・
リーダーたちの決定したこの告発決議文が読み上げられた時、そこにいた何万という人々の中からざわめきと納得の声があがった。
しかし、ほんの数分後に沈黙が始まり、その静寂は長く続いた。
誰も声をあげず、誰も動こうともしなかった。
そこにいた、すべての人々が、はっきり気づいたのだ。
神が、すでにこの決議文を実行していたということを・・・。
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「この方は、罪を犯したことがなく、その口には偽りがなかった。ののしられてもののしり返さず、苦しめられても人を脅さず、正しくお裁きになる方にお任せになりました。そして、十字架にかかって、自らその身にわたしたちの罪を担ってくださいました。わたしたちが、罪に対して死んで、義によって生きるようになるためです。そのお受けになった傷によって、あなたがたはいやされました。」1ペトロ2:23-24
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フライデーナイトで「苦難を担われた救い主」に出会えますように。
祝福を祈ります。
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